金沢大学 医薬保健研究域医学系 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

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メッセージ/医局の活動 005 


「留学記 秋のオタワ」   波多野都


2009年10月から聴覚中枢研究のためにカナダ・オタワにあるカールトン大学の神経科学研究所に来ています。まだこちらに到着し間もないので(オタワ生活14日目の初心者!)、留学記らしいことはまだ書けないので、研究室の紹介と最近の生活をお話します。
カールトン大学神経科学研究所には9つの研究室があります。私はその中の心理学教室に属するケリー研究室に所属しています。ボスのジャック・ケリー教授は気さくでよく冗談をいい人を笑わせます。研究室のメンバーは私を含め6人で、ベテランのヒストロジスト、学生さんが2人、コンピュータープログラマー兼研究者と多彩です。私のプロジェクトも受け入れてもらえ、この明るいチームで研究をすすめるのが楽しみです。また、皆が一人の人間として私と接してくれるのは少し新鮮で嬉しく感じています。研究生活の出だしはよい感触です。
生活のほうは、アパート契約は済んでいるのですが、まだ入居できません。なので、未だにケリー先生のご自宅に居候しています。ケリーご夫妻はアメリカ出身ですが、普段の食事はイタリアン、カリブ料理、中華にベトナム料理など多国籍です。日本料理には申し訳ないのですが、時々作る私の和食という料理も喜んでくれます。「カナダ料理とは?(サーモンとメープルシロップのパンケーキのイメージ)」と尋ねると、「多民族国家、これがカナダだから。」と答えられました。多くの移民を受け入れてきた国の歴史をまず食で感じました。多文化主義の国なので私のような日本人も受け入れられやすい気がします。ゆっくりですが、生活のセットアップも進行中です。
こっちに来る直前にちょっと苦労したことがありました。ビザの申請後に大使館からもう一つ、数日以内に書類を提出するようにという連絡がありました。書類自体はシンプルな内容ですが、この連絡を受け取ったとき、ケリー先生は休暇中でイエローナイフの山の中、直接連絡がとれない状況でした。ここで伊藤先生をはじめ、隣のラボの教授、ケリー先生のアメリカにすむお嬢さん、学長秘書、学長、そしてケリー先生まで多くの人達が私のために迅速に動いてくれました。この熱意で念願の研究留学が叶いました。ここに来る前から人のつながりと温かさを感じています。今度は私がこれに応えられるよう一生懸命やろうと思います。
私が到着したころはカナダの国旗のようにメープルの紅葉がすばらしかったのですが、この2週間ですっかり色あせてしまいました。カナダの冬は厳しいと皆におどされますが、冬のオタワも楽しみたいと思います。
@ リドー運河沿いを歩いて通勤 A 左の赤い看板の建物がラボ
 
B 天皇陛下らがカールトン大学を訪問と新聞にあり? ここのデスクを確保