金沢大学 医薬保健研究域医学系 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

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メッセージ/医局の活動 012 


第24回日本喉頭科学会総会・学術講演会


  第24回日本喉頭科学会総会・学術講演会が、吉崎教授を会長として平成24年3月8日(木)・9日(金)の両日に金沢市文化ホールおよび金沢ニューグランドホテルで開催されました。平成24年(2012年)3月は、加賀藩が金沢大学医学部の前身となる彦三種痘所を文久2年(1862年)3月に開設してからちょうど150年にあたることから、本総会・学術講演会のテーマを「伝統から創造へ」として、喉頭科学における「伝統」そして「創造」について熱い討論を期待しました。
  特別企画として、シンポジウム1「喉頭癌治療の現状と展望 ―どのように治療法を使い分けてゆくか―」、シンポジウム2「難治性喉頭疾患に対する診断・治療の現状と展開」、教育パネル「明日から役立つ臨床の技!これからの専門医育成のために」を準備し、参加された皆さまには、“聞いてよかった”と言っていただける内容であったものと信じております。一般演題では北は旭川医大から南は琉球大学まで全国から116題ものご発表をいただきました。またアップトゥデートな話題のランチョンセミナーを3つ企画し、いずれもたいへん好評でした。
  当教室からは、シンポジウム1「喉頭癌治療の現状と展望 ―どのように治療法を使い分けてゆくか―」において脇坂先生が動注化学療法について、シンポジウム2「難治性喉頭疾患に対する診断・治療の現状と展開」において室野が喉頭乳頭腫に対するシドフォビル注入療法について、シンポジストとして発表をしました。しかし主催校でありながら一般演題には一題も応募していない有様はたいへん残念に思いました。
  今までを見てもこの学会には教室からほとんど参加者がなく、これを機に変わっていけばと願うばかりです。実際、若い先生からは、今まで見たこと、聞いたことのないものを多々知ることができた、との声も多く聞かれ、喉頭科学に少しでも興味を持っていただけたら、というのが正直なところです。ぜひ日本喉頭科学会に入会して、来年以降も参加していきましょう。
  この冬は雪のため石川県へのアプローチに支障を生じたことがありました。そのため、本会の開催にあたりましては3月上旬とはいえ天候が懸念されましたが、杞憂に終わり穏やかな天候に恵まれて全国から359名(初期研修医・学生を含む)の参加者がありました。皆さまには学会会場を離れましても、古都金沢の散策や料理において「伝統」と「創造」をじゅうぶんに堪能していただけたものと信じております。
  最後に日頃よりご支援をいただいております同門会の先生、平日にもかかわらず会場へ足を運んでいただき学会を盛り上げていただきました先生には心より御礼申し上げます。今後ともご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。また、会場に張り付きで運営を手伝っていただきました教室員の皆さま、ありがとうございました。

室野 重之