金沢大学 医薬保健研究域医学系 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

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診療分野:喉頭 
喉頭診療分野では、喉頭腫瘍、音声障害および嚥下障害を主に扱っています。
 

(1)喉頭腫瘍


 喉頭腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があり、悪性腫瘍の大半は喉頭癌です。喉頭癌については頭頸部癌の項目に記載されています。喉頭癌に関してここで強調したい点は、早期喉頭癌(声門癌)の治療についてです。従来、放射線治療を施行されることが大半でしたが、当科では積極的にレーザーを用いた切除術を行っています。放射線治療と同等の治療成績が得られており、懸念される音声の悪化も放射線治療と遜色ありません。
   喉頭癌レーザー手術前    喉頭癌レーザー手術後
 
 喉頭の良性腫瘍にはいくつかの種類がありますが、位置や大きさにより、経口的に摘出するか外切開により摘出するか決定しています。当科で行っている特色ある治療として、喉頭乳頭腫に対するシドフォヴィル(抗ウイルス薬)局所注入療法があげられます。喉頭乳頭腫は良性腫瘍でありながら再発をきたしやすい病気であり、治療に難渋することも少なくありません。シドフォヴィル局所注入療法は、欧米ではかなり報告があり有効であることが示唆されている治療法ですが、国内での報告はありません。当科では、この治療法の適応があると判断した場合は、金沢大学附属病院倫理委員会の承認を得たうえで行っています。
   喉頭乳頭腫シドフォヴィル治療前    喉頭乳頭腫シドフォヴィル治療後
 

(2)音声障害


 音声障害をきたす疾患にはさまざまなものがありますが、治療の柱はボイストレーニングと手術治療です。当科で積極的に治療を行っている音声障害の一つに、喉頭麻痺があります。甲状腺や大動脈の手術などで反回神経がやむを得ず犠牲になると、声帯の運動が障害され気息性嗄声を来します。失声状態となることも少なくなく、日常生活に支障をきたします。そのような状態に対して、音声改善手術(甲状軟骨形成術 I 型や披裂軟骨内転術)を施行し、QOLの向上に努めています。
  (左)左喉頭麻痺手術前   (左)左喉頭麻痺手術後
 
 また、声帯ポリープは音声障害をきたす最もポピュラーな疾患の一つですが、その手術治療においても、近年着目されているマイクロフラップ法を積極的に導入し、より低侵襲で正常粘膜を温存する声帯ポリープ切除術を心がけています。
 

(3)嚥下障害


 頭頸部癌治療による嚥下障害、および、脳神経外科・神経内科的疾患による嚥下障害を主に扱っています。頭頸部癌の治療においては、手術治療ではもちろん、化学放射線治療によっても嚥下障害をきたしえます。そのため、QOLの向上のためには嚥下障害の治療が不可避です。嚥下障害に対する診断には嚥下造影検査および嚥下内視鏡検査を積極的に行っており、治療では、リハビリ科と協力し積極的に嚥下リハビリを行うとともに、適応のある症例には嚥下機能改善手術や誤嚥防止手術を行っています。