診療分野:甲状腺
甲状腺疾患
甲状腺はのど仏の下にある“蝶ネクタイ”のような形をした臓器です。甲状腺は甲状腺ホルモンを産生し体内の熱産生や新陳代謝など活発にさせる働きがあります。当科では特に手術の必要となる甲状腺癌、良性腫瘍などの甲状腺腫瘍やバセドウ病と呼ばれる甲状腺機能亢進症を取り扱っています。
甲状腺疾患は採血検査による甲状腺ホルモン機能のチェック、超音波検査やCT検査などの画像検査で評価します。甲状腺癌の疑い等がある場合、針生検を行います。これは超音波で見ながら細い針を刺し細胞を採取し、癌細胞の有無を検査します。甲状腺癌や甲状腺癌の疑いがありと診断された場合手術療法を行っています。
甲状腺癌のなかで最も頻度の高い乳頭癌は悪性度が一般に低いとされています。癌が左右どちらかの甲状腺の中にとどまっている段階では正常甲状腺を一部残した切除を行います。リンパ節転移がある場合は同時にこれらを切除してきます。
手術後の治療は一般には行いませんが、悪性度の高い場合、肺などの遠隔転移がある場合などは当院核医学教室と連携し放射性ヨード治療を行うこともあります。
甲状腺の周囲には気管、喉頭(こうとう)、食道、頸動脈(けいどうみゃく)といった重要な器官が多くあります。甲状腺癌がこれらの臓器に浸潤することもあり、当科では可能な限り臓器の機能を温存するようにしています。当科では頭頸部腫瘍の専門のスタッフが個々の疾患に応じた治療方針をたて患者さんと相談し治療をすすめていきます。