先輩Dr.からのメッセージ
〜耳鼻咽喉科の世界とは?〜
耳鼻咽喉科、頭頚部領域は脳神経が集中していて、味覚、嗅覚、聴覚など各種感覚が集中しています。領域としては狭いように思われがちですが、食べる、味を感じる、息をする、声をだす、匂いを感じる、音を聴くなど人間が人間らしく生きる上で重要な役割を果たす器官が集まっています。
手術は、扁桃摘出術に始まり各種唾液腺、甲状腺の腫瘍摘出術、舌や口腔底などの腫瘍切除に対する再建手術、急性喉頭蓋炎や声帯麻痺に対する緊急気管切開など、さらには慢性副鼻腔炎や上顎洞腫瘍などの内視鏡手術、中耳真珠腫に対する鼓室形成術、人工内耳植込み術といった顕微鏡手術などなど・・・。その手技は多岐にわたります。
聞こえなかった人が、聞こえるようになる。匂いを感じなかった人が匂いを感じるようになる。食べられなかった人が食べられるようになる。
〜耳鼻咽喉科の世界は広い!?〜
よく学生や初期研修医から「なぜ耳鼻科にしたのですか?」と聞かれます。その度に考えるのですが、「正直なところ直観」と答えます。
あえて言葉にするなら、「世界が広がって見えた」のが理由。
それまで、専攻科目を選ぶということは、なんとなく世界が狭くなるような感じがしていましたが、耳鼻科は違って感じたから。
どの科を専攻するかは、一つの方向性を示すことは確かです。しかし、どの科を専攻しようと、本来その世界は無限だと思うのです。
どのような世界を求めるのかは人それぞれ。そして、その世界をどう感じるのかも人それぞれ。でも、その世界は触れてみないとわからない。
というわけで、
一度まわって見られ、金沢大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科!
上野 貴雄
〜言葉にできない〜
皆さんはどんなことがやりたいですか?どんな環境でやりたいですか?
具体的な答えをお持ちの方もいると思いますが、多くの方は複数の科や研修先で迷われているのではないでしょうか。僕もそうでした。
候補の科や勤務先を全てみるのは難しいと思いますが、実際に眼で見るのは重要だと思います。ふわっとしたイメージでも、言葉で聞くよりずっと伝わる気がしませんか。興味がほんの少しでもある方は是非とも、気軽にお越しください。シャイな方はメールでもご連絡可能です。
野田 昌生
〜あたたかくて大きくて〜
ほかの医局に所属したことがないので私の視点からのお話です。
和気あいあいとしながらも互いを支え合い、前進の意欲を灯しつつ他の先生方の努力の実りを一緒に喜ぶ。そんな医局だと感じています。
当科は0歳から100歳越えまで老若男女問わず、感覚器・呼吸器・消化器がぎゅっとつまった領域を、内科系外科系ふくめて、診断から治療まで…もっというと予防から社会復帰後の支援までおこなっています。
どの科もそれぞれ奥が深いと思いますが、当科も面白くて、飽きやすい私が仕事については未だに飽きる気配がないまま今日に至っています。
みみ・はな・のど・頸部・腫瘍などいずれの領域でも全国区レベルの先生がおられるのも当大学の強みかもしれません。それぞれが刺激し励まし合いながら高みを目指すのは素晴らしいことだと思います。
また自分の趣味の時間や、家庭を持ち家族との生活を大事にするなど、各々の個性や考え方を尊重するところもウチの医局の特徴の一つです。公私ともども楽しく生きることは大切なことだと思いますし、それが実現できるのはありがたいなと思います。
花が咲くためには土と水と太陽が必要です。
私自身は関連病院で勤務していますが、入局してくださった先生方が、それぞれ伸びやかに開花されて笑顔で再会できていることを、とてもうれしく思っています。
どうぞ一度立ち寄ってみてください。
丸山 裕美子
〜ようこそ耳鼻科へ〜
「もし科を選びなおすなら、どうするか?」医師として仕事をはじめてつらくなった時、特に研修医の頃に、やっぱり耳鼻科なんてやめればよかったかもと思い、自問自答することがよくありました。入ってみた耳鼻科は予想以上に手術もダイナミックで、気道の管理など命に関わる緊張感をもって臨む仕事が多く、驚いたことがいっぱいありました。耳鼻科をやめたらなんて、姑息的に消去法で考えるのですが、それを考えていたら逆に耳鼻科の仕事で好きなことがいっぱい頭に浮かび、ああやっぱり耳鼻科はいいな、明日から頑張ろうという気になって、はや十数年がたちます。特に、大学院の研究が終わり、自分の専門分野を決めてからは任される仕事も増え、やりがいを実感できるようになりました。
私の専門は鼻科学(特に嗅覚)ですが、匂いがわかるようになった、鼻づまりがとれたなど患者さんの自覚症状が改善し、治療の効果を実感するとうれしくなります。金沢大学は嗅覚を専門としていた先輩が多く、自然と大切なことを教えてもらっていた気がします。さらに、先輩の先生方の紹介で念願だった海外留学を果たすことができました。多くを学んだアメリカの恩師とは今でも交流が続いています。
耳鼻科医生活の中で結婚、出産を経験し、現在二人目の育休中です。今回、妊娠の経過で早い時期に急な安静が必要となり、いろいろ他の先生方に迷惑をかけることがありました。耳鼻科は比較的女性が多い科であり、こういった女性特有のイベントに対して臨機応変に対応してくれます。けれども、その分男性医師や独身女性医師の負担が増える現実があり、復帰したらできるだけ皆さんに恩返しできるように働きたいと思っています。
人生にはいろいろな選択の機会があり、医師としての科を決めるとき、入局する医局を決めるときは特にその後を大きく左右する決断に感じることでしょう。(実はそんなことはなくて、どこへ入っても仕事をしてからの方が重大な決断を迫られる時が多いのですが!)もしこれを読んでいる人の中で金沢大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科への入局を迷っている人がいたら、私の経験からはおススメしたいと思います。
中西 清香
〜耳鼻咽喉科ってどんな科?〜
耳鼻咽喉科では、視覚以外の五感、つまり聴覚・嗅覚・味覚・触覚や、咀嚼・嚥下、音声・言語、平衡感覚など、人生においてなくてはならない機能を担う領域を扱います。大事な機能に障害がでたときにどのような治療をしたらよいか、あるいはどのような治療をしたら機能の温存ができ患者さんの生活の質があがるかなど、自分の診療が患者さんのQOLに大きくかかわってくるため、医師としては大変やりがいを感じます。患者さんは赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年代が対象になります。入局3年目になりますが、様々な年代の患者さんと触れ合うことで、医師としても学ぶことが多いです。
〜入局からこれまで〜
なぜ耳鼻咽喉科医になったのかというと、私の場合は外科系に興味があったことと、専門性が高い領域に進みたいという思いがあったことがあげられます。入局1年目は大学病院、2年目は関連病院、3年目である現在は大学病院で勤務しています。大学病院では頭頸部腫瘍の手術や鼓室形成術や人工内耳埋込術の助手として手術にはいったり、また頭頸部癌の放射線化学療法の担当医として入院管理を行ったりしています。大学病院ならではの、専門性を要する疾患を多く経験することができます。関連病院では特に甲状腺や唾液腺の手術、鼻内視鏡手術、喉頭のマイクロ手術、扁桃摘出術など、指導医のもとで執刀医として手術経験をつんだり、感染症や顔面神経麻痺/めまい/急性感音難聴患者の治療など内科的治療(時に外科的治療の介入を要することもありますが)も多く経験することができました。また主治医として治療方針を考えて、指導医のもとで治療を実施、治療後の経過フォローをしていくプロセスをふむことで、医師として成長できたと思います。入局3年目でまだまだ分からないこと、できないことが多く、耳鼻咽喉科医としては発展途上です。患者さんに頼られる耳鼻咽喉科医になれるように、努力していきたいです。
〜耳鼻咽喉科医になってみませんか?〜
耳鼻咽喉科は内科系・外科系いずれも扱い、将来の選択肢も幅広いです。私自身、実際入局してみて、耳鼻咽喉科で扱う領域の幅広さ・奥深さを実感しています。自分の目でみてみると新たな発見があると思いますので、ぜひ気軽に見学にきてください。素敵な先輩Drがたくさんいる医局です!
上野 春菜